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ご支援制度の終わりに−未来の価値を含んだ豚肉(有難豚血統)をお届けします

2015/03/06

サポーターの皆さまへ

 こんにちは。有難豚(ありがとん)の高橋希望です。

 宮城は梅の蕾も未だ堅く、東日本大震災から5度目の冬を迎えました。皆さまは、この冬はいかがお過ごしでしょうか。

 なかなか明るいニュースをお届けできずに、心苦しい日々を送っております。サポーター制度の立ち上げ当初に、マイファーマー様とNPO法人農家のこせがれネットワーク様が目標として掲げられたBBQ開催も、私たち家族のみではなかなか再開が叶わず、残念に思っております。



 近況をお知らせいたします。

 あの日皆さまに助けて頂いた豚達は残り2頭の母豚のみとなりました。その子孫達が数十頭いる状況です。この内の1頭は、老豚となり繁殖豚としての役目を終えてこの3月に出荷を余儀無くされています。

 未だ非常に厳しい状況が続いておりますが、お一人おひとりの優しい気持ちにつないで頂いた大事な豚なので、この母豚たちは通常養豚のみの判断ではなく、なんとか数頭でも終生飼育をとの願いを震災直後からずっと抱いております。

しかしながら、5度目の冬を迎えてもなかなか協力者が現れない状況です。もし、終生飼育の目的を持って豚を引き取っても良いという動物園や農家の方をご存知の方がいらっしゃいましたら、至急ご連絡ください(hopefulpig.japan@gmail.com)。

 豚は本来、人にとって大変身近な家畜ですが、現代では動物園にも豚がおりません。大震災を生き抜いた母豚たちの最後の役目として、もう一度消費者の方々に「家畜との向き合い方」や「大震災を経て関わり合い、つながっていった大切ないのち」のことを、穏やかな温もりと一緒に伝える場をと強く願っています。豚は通常、1年に2回出産をし、1度に10頭前後の子豚を生みます。そして1頭の豚は約100人分の食になります。この母豚たちは震災で生き残った後に、これまで100頭程の子豚を出産しておりますので、一頭あたり約1万人の方の大切ないのちを東北から沢山の方々へ生みだしてくれた母豚になります。私たち生産者も、この力強さにどれほど励まされたかしれません。

 また、豚は鼻を使って土を耕すのが得意な動物で、昔は農家で荒れた田畑を開墾する開墾動物として飼われていました。これは豚の行動欲求に即した飼い方で、耕作放棄地や竹林もあっという間に開墾してしまいますので、第2の豚生を豚たちが喜び、人のお役に立てる形で送らせる場を作れればと考えています。



●ホープフルピッグという会を立ち上げました

 さて、名取ファームの復興状況ですが、前回お届けした報告文から状況は一向に変わらず、未だ復興ができない厳しい状況が続いております。

 そんな中、「HOPEFUL PIG(ホープフルピッグ)」という小さな会を立ち上げました。本会は、東日本大震災によって被災した畜産動物(主に豚)に対する支援、及び、農家を支える継続的なネットワーク形成について学び、参加者の多角的な理解を深める事を目的にしています。

“ホープフル”は、希望に満ちた、という意味です。沢山の方々に助けて頂いた希望の豚たちと共に生まれた繋がりが、将来あるべき姿へと進化して行く事を願って名付けました。
Facebookコミュニティページ【有難豚 HOPEFUL PIG】



●アニマル・ウェルフェア(家畜の心を幸せにする)畜産をめざして

 東日本大震災で元の農場は津波で全壊してしまいましたが、せめて残った豚たちの子孫を少頭数でもまずは「豚が豚らしく」いられる飼育環境の中で育てられるようにと、この数年間、復興業務と並行してずっと模索してきました。

その取り組みの一貫で、東京都内放牧式でのびのびと豚を飼育されている方との出逢いがありました。また、同じように家畜を幸せに育てるという理念を持った全国の畜産農場の方々との出逢いもあり、今後の連携を強めていこうと考えております。

震災では私たちの農場のみでなく、沢山の畜産動物が天災のみでない人災といってよい悲しい経験をしています。同じ悲しみを繰り替えさない為にも、家畜を単なる食材としてのみ見るのではなく大切に育てる過程の価値というものを同時に発信していきたいと考えています。



●ご支援制度の終わりに −未来の価値を含んだ豚肉(有難豚血統)をお届けします

 宮城の農場の復興は未だ叶っていない現状ではありますが、今回最後のサポーター様へのお届け分のお肉を、この新しい可能性を持った有難豚の特別な子孫のお肉を買い取ってお届けさせて頂きます。

 小さな取り組みですが、諦めずに一歩ずつ、消費者と一緒に健康で幸せな家畜を育てる次の畜産への道を探っていきます。食事会やイベント等を行って頂けるようでしたらご連絡ください。

いつも豚たちの事をお気に止めて下さり、本当に励まされております。この場をかりて感謝申し上げます。今後ともどうぞ宜しくお願い致します。

ホープフルピッグ 代表 高橋希望

(名取ファーム広報営業)

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蔵王ありが豚は、現在も竹炭飼育を利用し、美味しい豚の「血統」にとことんこだわった宮城が誇るブランド豚です。
蔵王連邦を眺めながら、米どころ宮城県ならではの仙台平野・田園風景の中ですくすく元気に育っています。
香川臼杵さんの旬野菜 中島ブランド復興プロジェクト